測定・調査結果(2)レポート

Text by Tadahiro Katsuta(NPO peacefulenergy)
0.はじめに  

さて、第2回目は、違う環境での成功事例を紹介します。
1.測定ポイントN0.2  


横綱通り

日にち:8/24(火)
測定時間(打ち水開始時刻):16:30〜17:40(17:00)

打ち水した水の量:
最大温度変化:約0.6 ℃
結果 : 成功!
コメント:昼間と違う傾向がはっきり。

2.概要  


8月24日(火)、アメダスによれば最高気温31.7℃(平均気温26.3℃)、曇という状況でした。時間は夕方である17時からのスタートでした。

3.結果と考察

 


図1に測定結果そのままの生データ(すなわち測定担当者が温度計(地上から150cmの高さに設置したデジタル湿温計を読み取ったデータをそのままプロットした図)を、また図2に補正後(打ち水前の16時50分で「打ち水なし」と「打ち水あり」をそれぞれ規格化して、さらに3点間の平均をとったもの)のデータを示します。(ここで、打ち水「あり」と「なし」とは「打ち水をした地点」「打ち水しない地点」のことをいいます。また両測定地点の距離は数mとなっています。)


図1 測定ポイントN0.2:横綱通り
[上図:(a)温度/下図:(b)湿度 <生データ>]



図2 測定ポイントN0.2:横綱通り
[上図:(a)温度/下図:(b)湿度 <3点平均後>]


「効果が分かりやすい図2で分析してみましょう。
まずは温度に関して、打ち水の効果ははっきり出ています。17時30分で打ち水「あり」「なし」の差が最大で、およそ0.6℃の低下になっています(打ち水のない場合の16時50分の値が正しいとすると、17時30分での差が0.02なので、30.6℃×0.02=0.6℃)。少し効果が低かったようですが、この時間帯ですから、実は十分なのかもしれません。人工ではなく自然の調整能力による効果かも?

さらに、「打ち水なし」と比較して「打ち水あり」の方が温度低下がはやく、その効果も続くような感じです。もしかしたらこの通りは、この日は心地よく?眠ることができたかもしれません。
午後過ぎた場合の打ち水は、量が少なくてもよく、また打ち水の効果が長い傾向があるということでしょうか。例えるならば、伝統的で静的な打ち水です。ということは、第1回でみたような正午に行う打ち水は、ヒートアイランド対策としての意味はもちろん、楽しくみんなで勢いよくやることが正しい行為だといえます。まさに現代的で動的な打ち水です。
好みに合わせて出来ることも、打ち水の楽しさの一つなのでしょう。

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