日時を決めて、
残り湯など二次利用水をつかって、
みんなで、いっせいに打ち水をする。
たったそれだけのこと。


たったそれだけのことで、真夏の気温を下げられる。
たったそれだけのことで、ヒートアイランド対策に効果をあげる。
たったそれだけのことで、真夏の電力エネルギーの節約になる。
たったそれだけのことで、地球にやさしい人になれる。
たったそれだけのことで、体も気持ちも爽やかになれる。
たったそれだけのことで、コミュニティがひとつになれる。
たったそれだけのことで、みんながハッピーになれる。


前代未聞、本邦初(否もちろん世界初)の大江戸打ち水大作戦の試みは、昨年8月25日正午に行なわれ、様々な問題を抱えた現代の都会に生きるわれわれに、あらためて「江戸の知恵」打ち水の素晴らしさを気づかせてくれました。参加した多くの人には、「また来年もやりたいね」という素直な感想とともに、「新しい夏まつりの誕生」を予感させました。「たったそれだけのこと」に、強い確信と大きな喜びをもって、打ち水大作戦の試みは2年目の展開を迎えます。

今年、2004年は8月18日(水)から8月25日(水)です。

「水の日」から「水の日」に至る一週間を「打ち水週間」とします。
※打ち水を習慣化するための一週間です。この期間に各地でさまざまな試みや観測がおこなわれます。


みんなでいっせいに打ち水するのは2つの水の日の正午です。
8月18日(水)正午:開幕打ち水 ※晴れなければ翌日に順延
8月25日(水)正午:閉幕打ち水 ※晴れなければ中止


その合言葉は「風をおこそう」です。


今年の大江戸打ち水大作戦の目標の第一は、昨年同様に「みんなの手で、都心の気温を2℃下げよう」です。30数万人が参加して1℃下げられた前回の実績から、今度こそ百万人が参加すれば2℃下げることは可能ではないか、と期待しないわけにはいきません。もっとも百万という数字には意味はなく、2℃下げられると予測した根拠は「都内で散水可能な280万平方メートルにつき、1平方メートルあたり1リットルの水をまいた場合」という国土交通省の土木研究所が試算したデータに基づいています。今年は、おおよそそのシミュレーションどおりの規模の社会実験を実現したい考えています。また、気温を下げるという具体的な目標に加えて、さらに今年は新しいテーマを掲げます。
その合言葉が、「風をおこそう」です。

春の小川を描きます。


都会に「川」が復活すれば、それがヒートアイランド対策のいちばんの解決になると言われています。恒常的に風の抜ける道ができるからです。その昔は、日本の都市の至る所に小さな川が流れていました。戦後、ほとんどの川は道路で蓋をされて姿を消し、川の記憶も蓋をされてしまいました。唱歌「春の小川」の舞台が東京の渋谷だったという事実は象徴的です。ある意味で、打ち水大作戦とは、束の間みんなの手で川の道をつくりだそうという試みでもあります。
今年、大江戸打ち水大作戦におけるひとつの特別な取組みとして、「春の小川打ち水大作戦」に挑戦します。渋谷周辺で、実際に川のあった道筋を重点的に打ち水しようと。そして、真夏の東京に「春の小川の風」をふかせようと。渋谷にあつまる学生たちがネットワークを組んで、地元の人たちといっしょになって、打ち水という筆で春の小川を描きます。

UCHIMIZU が世界の言葉になる日


昨年イベントとして成功した試みを今年はムーブメントとして、いよいよ社会に定着させよう。その意味でも「風をおこそう」です。今年は「自分たちもやりたい、楽しみたい」というコミュニティの数だけ、東京以外でもいろんな打ち水大作戦が立ち上がってくれることを期待しています。打ち水大作戦本部(大江戸打ち水大作戦本部あらため)は、昨年につづき東京で大江戸打ち水大作戦を主催する一方で、打ち水週間のあいだに各地で自主的に発生するさまざまな打ち水の試みをネットワークしていきたいと思います。ヒートアイランドをはじめ都市の抱える同じ問題に直面する多くの街がつながって、打ち水というムーブメントはきっと大きな風になるでしょう。そして日本でおこった風がやがて海の向こうにも届くことを願っています。「UCHIMIZU」が世界の言葉になる日もそう遠くないかもしれません。


打ち水大作戦の主役「呼び水人」

打ち水大作戦の成功の鍵を握るのは、いわゆる「呼び水人」です。むしろ大作戦の主役と言うべきでしょう。文字どおり、みずから呼び水になっていただける方です。大作戦の輪にひとりでも多くを巻き込むために、人につたえてもらったり、人をつなげてもらったり。「つたえる力」と「つなげる力」の結集が、ひとえに大作戦の中身です。
呼び水人は一般の個人でもあるし、マスメディアでもあります。昨年はマスメディア各社・関係者に大いにお世話になりました。今年もマスコミPR大作戦でありたいと思います。
しかし、マスにつたえて波紋を広げるのと同じくらい個の力は重要です。「参加します」「参加しました」という声を個々にあげていただくことが、なにより生きた呼び水になります。今年は「呼び水人大作戦」をさらに盛り上げるべく、リアルな打ち水をヴァーチャルに楽しむべく、ネットやケータイをつかった新しい企画も展開します。

以上が「平成十六年版 大江戸打ち水大作戦 & 打ち水大作戦2004」の概要です。
みなさまも、それぞれの立場で「打ち水体験」してみませんか。

みんなでいっしょに、涼しくなろう。
みんなでいっしょに、風をおこそう。
みんなでいっしょに、幸せになろう。


2004年6月吉日 打ち水大作戦本部
Copyright(c)2003-2004 打ち水大作戦本部